【総務部歴史監査】ニクソン・ショック。ドルが「ただの紙切れ」になった日と、資産を守る唯一の「錨」

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【歴史・教養】投資の失敗学

Last Updated on 2026年1月7日 by けん実おじさん

あなたの財布に入っているのは「信用」という名の借用書

総務のけん実おじさんです。

今回の監査対象は、現代経済における最大の転換点、1971年の

「ニクソン・ショック」

です。

いきなりですが、質問です。

あなたが持っている1万円札や、預金口座にある100万円。

その価値は、誰が保証していますか?

「国が保証している」と答えるでしょう。

では、国が「もう無理です、払えません」と言ったら?

その瞬間、お札はキャンプファイアーの焚き付け以下の「紙切れ」になります。

実は、1971年8月15日まで、世界のお金は「紙切れ」ではありませんでした。

銀行に持っていけば、いつでもキラキラ輝く「金(ゴールド)」と交換してくれる引換券だったのです。

しかし、あの日、アメリカ大統領の一言でその約束は破られました。

「今日から、ドルと金の交換はやめる。ドルはただの紙として使え」

これは実質的な「国家の債務不履行(デフォルト)」です。

あれから50年。

タガの外れた通貨は無限に印刷され、価値を失い続けています。

今回は、通貨の歴史的詐術を監査し、インフレ時代に資産を守る唯一の「錨(いかり)」であるゴールド投資について解説します。


1971年8月15日:世界が「借金中毒」になった日

かつての世界経済は「ブレトンウッズ体制」で動いていました。

これは「金1オンス=35ドル」と固定し、世界中の通貨をドルに、ドルを金にリンクさせる仕組みです。

つまり、ドルの背後には必ず「現物の金」がありました。

勝手に印刷することは許されなかったのです。

▼【監査ポイント】アメリカの台所事情

しかし、1960年代後半、アメリカの財政は火の車でした。

  • ベトナム戦争の泥沼化: 戦費がかさむ。
  • 「偉大な社会」計画: 福祉政策でバラマキを行う。

お金が足りない。

でも、金(ゴールド)がないからドルを刷れない。

一方で、フランスなどが「ドルはいらないから金をよこせ」と交換を迫ってきました。

アメリカの金庫(フォートノックス)から、金がどんどん流出していきます。

ニクソンのちゃぶ台返し

追い詰められたニクソン大統領は、1971年8月15日、キャンプ・デービッド山荘での密談の末、テレビ演説で世界に宣言しました。

「金とドルの交換を一時停止する」

「一時停止」と言いましたが、二度と再開されることはありませんでした。

これにより、通貨発行のブレーキ(金の保有量)は消滅しました。

世界中の中央銀行は、「信用」という名の空気をもとに、輪転機を回して無限にお金を刷れるようになったのです。


その後の50年:ドルは98%の価値を失った

金という「錨」を失った通貨は、どうなったか?

際限のないインフレーション(価値の希薄化)です。

▼【監査データ】金価格から見るドルの暴落

  • 1971年: 1オンス = 35ドル
  • 2025年現在: 1オンス = 約3,500ドル

金の価値が100倍になったのではありません。

ドルの価値が100分の1(約99%下落)になったのです。

これはドルだけの話ではありません。

円も同様です。

「昔は100円で買えたものが、今は買えない」 それはモノが高くなったのではなく、あなたが持っている現金の価値が、ニクソン・ショック以降、溶け続けている証拠なのです。


2026年の現状:世界は再び「金」を買い漁っている

そして今、世界は再び「ゴールド」に戻ろうとしています。

きっかけは、2022年のウクライナ侵攻とロシア制裁でした。

「ドルは武器になる」という恐怖

アメリカは制裁として、ロシアが持っていた外貨準備(ドル)を凍結・没収しました。

これを見た中国や中東、新興国(グローバルサウス)の中央銀行は震え上がりました。

「ドルを持っていたら、アメリカの機嫌を損ねた瞬間に没収される」

結果、何が起きたか?

世界の中央銀行による「爆買い」です。

2022年以降、中央銀行は年間1,000トン以上の金を買い続けています。

「誰の借用書でもない資産」「没収できない資産」であるゴールドへの回帰。

これは、半世紀続いたドル覇権の終わりの始まりかもしれません。


投資戦略:ゴールドをどう持つべきか?

では、私たち個人投資家はどうすべきか?

総務部として推奨するのは、「資産の10〜20%をゴールドに換える」ことです。

これは儲けるためではありません。

通貨崩壊への「保険」です。

具体的な保有方法は3つあります。

① 「現物」で持つ(金貨・インゴット)

最も原始的ですが、最も強力です。

  • メリット: システムリスクゼロ。手元にある安心感。
  • デメリット: 盗難リスク。保管場所。売買手数料が高い。
  • 推奨: 「もしも」に備えるタンス預金代わり。資産継承目的。

② 「ETF」で持つ(GLD・IAUなど)

証券口座で株と同じように売買します。

  • メリット: 手数料が安い。NISAで買える。流動性が高い。
  • デメリット: 「ペーパーゴールド」であり、運営会社やシステムが破綻した時に現物が手に入る保証はない。
  • 推奨: 資産形成の一部としてポートフォリオに組み込む場合。

③ 「デジタルゴールド」で持つ(ジパングコインなど)

最新の選択肢です。ブロックチェーン技術を使い、金の価値をデジタル化しています。

  • メリット: 1g単位で買える。24時間取引可能。現物への交換も可能(一部銘柄)。
  • デメリット: プラットフォームのリスク。
  • 推奨: 新しい技術に抵抗がなく、利便性を重視する層。

【税務監査】日本の税金ルールに注意

日本で金の現物を売る場合、保有期間が重要です。

  • 保有5年以内: 利益がそのまま課税対象(短期譲渡所得)。
  • 保有5年超: 課税対象額が半分になる(長期譲渡所得)。

つまり、現物を持つなら「5年以上ガチホ」が税制上の最適解です。

短期売買ならETF(NISA枠)を使いましょう。


総括:歴史は繰り返さないが、韻を踏む

ニクソン・ショックは、通貨のルールを一夜にして書き換えました。

そして今、米国の借金は35兆ドルを超え、いつか「第二のニクソン・ショック(ドルの信認崩壊)」が起きてもおかしくない状況です。

「現金を持っていれば安全」 その常識は、1971年に終わっています。

総務部からの提言はシンプルです。

「印刷できる紙幣(ペーパー)だけを信じるな。印刷できない実物(ハード)を持て」

あなたの資産ポートフォリオに、人類最古の通貨であるゴールドを組み入れてください。

それは、嵐の海を漂うこれからの経済において、あなたの資産を繋ぎ止める唯一の「錨」となるはずです。

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