Last Updated on 2026年1月7日 by けん実おじさん
100年変わらない「詐欺の王道」
総務のけん実おじさんです。
今回の監査対象は、投資詐欺の9割を占めると言われる「ポンジ・スキーム」です。
「月利3%で確実に増える」「AIが自動で稼いでくれる」 SNSやマッチングアプリで、こんな甘い勧誘を受けたことはありませんか?
断言します。それは100%詐欺です。
なぜなら、この手口は1920年代にアメリカでチャールズ・ポンジという男が発明して以来、100年間、中身が全く変わっていないからです。
「運用なんてしていない。新しいカモから集めた金を、前のカモに配っているだけ」 これが真実です。
今回は、なぜ賢い大人たちが「月利3%」というあり得ない数字を信じてしまうのか。
その心理的トリックと、数学的に証明された「破綻のメカニズム」を徹底監査します。
仕組みの解剖:自転車操業の末路
ポンジ・スキームの仕組みは非常にシンプルです。
一言で言えば「自転車操業(タコ足配当)」です。
▼【監査図解】お金の流れ
- 集金: 「高利回りの事業がある」と嘘をついて、出資者Aからお金を集める。
- 配当(偽装): 実際には運用せず、後から参加した出資者Bのお金を、Aに「配当」として渡す。
- 信用: Aは「本当にお金が増えた!」と信じ込み、友人Cを勧誘したり、さらに大金を追加したりする。
- 破綻: 新規の出資者がいなくなった瞬間、配当が払えなくなり、運営者は持ち逃げする。
これだけです。
中身は空っぽ。
バケツリレーでお金を回しているだけなので、最後の人(ババを引いた人)が必ず損をする仕組みです。
数字の嘘:「月利3%」は異常値である
詐欺師が好んで使う「月利3%」という数字。
これがいかに異常か、電卓を叩いて監査してみましょう。
▼【監査計算】複利の魔法か、詐欺の魔法か
もし100万円を「月利3%(複利)」で運用できたとしたら?
- 1年後: 142万円
- 10年後: 3,471万円
- 30年後: 417億8,000万円
たった100万円が、30年で400億円になります。
もしこれが本当なら、詐欺師はわざわざ赤の他人から小銭を集める必要などありません。
自分で借金して運用すれば、世界一の大富豪になれるからです。
世界基準との比較
- 米国債(世界で一番安全な資産): 年利 約4%
- ウォーレン・バフェット(投資の神様): 年利 約20%
- 詐欺案件(月利3%): 年利 約42%
投資の神様でさえ年利20%なのに、無名の自称トレーダーがリスクなしで年利40%超え?
あり得ません。
それは投資ではなく、「数学的に破綻した作り話」です。
歴史は繰り返す:切手から仮想通貨へ
手口は同じでも、商材(エサ)は時代に合わせて変わります。
① 1980年代:豊田商事事件(金)
「金の延べ棒を買えば利息がつく」と高齢者を騙しました。
実際には金など存在せず、集めた2,000億円は消えました。
会長が刺殺される衝撃的な結末を迎えました。
② 2011年:安愚楽牧場事件(和牛)
「和牛のオーナーになれば子牛の売却益が入る」 実際には牛の数が全く足りていませんでした。
4,200億円という巨額の被害を出しました。
③ 2020年代:PGA事件など(仮想通貨・AI)
「AIがアービトラージ(裁定取引)で自動で稼ぐ」 スマホ画面では利益が出ているように見えますが、それはただのプログラムされた数字です。
出金しようとすると「サーバーメンテナンス」と言われて逃げられます。
監査総括:詐欺を見抜く「魔法の質問」
なぜ人は騙されるのか?
それは、詐欺師が「あなただけは特別」と囁くからです。
承認欲求と、「自分だけは損したくない」という焦りが、正常な判断力を奪います。
【総務部からの防衛マニュアル】
怪しい投資話が来たら、この質問を投げかけてください。
「そんなに儲かるなら、なぜ銀行から低金利で借りて自分でやらないんですか?」
銀行なら年利数%でお金を貸してくれます。
わざわざ手間とコストをかけて、あなたに年利40%もの配当を払う「親切な人」はいません。
彼らが欲しいのは、あなたを儲けさせることではなく、あなたの財布の中身です。
「うまい話には裏がある」 100年前から変わらないこの鉄則こそが、最強のセキュリティソフトなのです。


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