【総務部監査報告】不動産投資の失敗原因は「空室」だけではない。2025年の空き家率13.8%時代を生き抜く「立地の論理」と「現場監査」の鉄則

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【実践・戦略】資産運用メソッド

Last Updated on 2026年1月7日 by けん実おじさん

「表面利回り10%!満室稼働中!」

そんな広告を見て、胸を躍らせていませんか?

もしあなたが、現場も見ずにハンコを押そうとしているなら、総務部として「待った」をかけます。

こんにちは。「おじさんの堅実な資産形成ノート」運営者、総務一筋15年のけん実おじさんです。

私は企業で「固定費」や「資金繰り」の管理をしていますが、不動産投資における「空室」とは、「売上(家賃)がゼロになり、固定費(ローン返済)だけが残る」という、企業なら即倒産レベルの緊急事態です。

2023年のデータで、日本の空き家率は過去最高の13.8%に達しました。

もはや「買えば誰かが住んでくれる」時代は終わりました。

この記事では、不動産業者が隠したがる不都合な真実と、空室リスクを論理的にゼロに近づけるための「立地の論理」と「現場監査(フィールドワーク)」の鉄則を、監査報告書として提出します。


第1章:【市場監査】空き家だらけの日本で「勝てる物件」はあるのか?

まず、マクロな視点(市場全体の動き)を確認します。

「日本中が空き家だらけなら、不動産投資はオワコンでは?」と思うかもしれません。

しかし、データを見ると「二極化」が進んでいることが分かります。

「平均値の罠」に騙されるな

全国平均の空き家率は高いですが、東京都心や大阪・名古屋などの主要都市部では、逆に家賃が上昇し続けています。

理由はシンプル。

  • 人口流入: 仕事を求めて人が都市部に集まっている。
  • 供給不足: 建築費高騰で新築が減り、ライバルが増えにくい。

つまり、「誰も住まない場所」と「住みたいけど部屋が足りない場所」が明確に分かれているのです。

我々が狙うべきは、後者の「局所的な需要過多エリア」のみ。

それ以外は、どんなに利回りが良くても「手を出してはいけない不良債権」です。


第2章:【立地監査】「駅徒歩5分」は絶対防衛ライン

では、具体的にどうやって「勝てる場所」を見極めるか。

ここには明確な「閾値(しきい値)」が存在します。

「検索されない物件」は存在しないのと同じ

今の入居者(特に単身者)は、SUUMOなどのポータルサイトで部屋を探します。

その際、彼らは検索条件にチェックを入れます。

「駅徒歩5分以内(あるいは10分以内)」

もしあなたの物件が「徒歩11分」だったら?

検索結果に表示されず、検討の土俵にすら上がれません。

どんなに内装が豪華でも、誰にも見てもらえないのです。

「ミクロ立地」で逆転を狙え

ただし、駅から遠くても勝てる例外があります。

それは「ターゲットとの合致」です。

  • 単身者: 駅近必須。利便性が命。
  • ファミリー層: 駅から遠くても、駐車場があり、静かな環境ならOK。

私が注目したある管理会社のデータでは、駅から遠いテラスハウスや貸家でも、ファミリー向けに特化することで「満室」を維持していました。

「誰に住んでほしいか」を決め、その人たちが望む環境(立地)を提供する。

これがビジネスの基本です。


第3章:【現場監査】ネットの情報を信じるな。足を運べ

ここからが本番です。

ネット上の「満室稼働中」や「駅徒歩〇分」というデータを鵜呑みにしてはいけません。

総務部が取引先を監査するように、必ず「現場の事実確認」を行ってください。

1. 競合物件への「スパイ活動」

購入を検討している物件の近くにあるライバル物件を見に行きます。

  • ポスト周辺: チラシが散乱していないか?(管理状態の悪さ=入居者の質が低い)
  • 募集看板: 色褪せた「入居者募集中」の看板がないか?(長期空室の証拠)

2. 地元の不動産屋への「聞き込み調査」

その街の賃貸仲介業者(客付け業者)に行き、投資家としてではなく「入居者目線」で話を聞きます。

  • 「この辺りで、すぐに決まる部屋の特徴は?」
  • 「逆に、ずっと空いている部屋はどんな部屋?」

彼らの生の声こそが、ネットには載っていない「真の市場データ」です。

3. 「夜」と「雨」の監査

晴れた昼間だけでなく、悪条件の時にも行きます。

  • 夜間: 街灯が少なくて怖くないか? 騒音はないか?
  • 雨天: 水はけは悪くないか? 共用部に雨が吹き込まないか?

これを確認せずに数千万円の借金を背負うのは、ギャンブル以外の何物でもありません。


第4章:【財務監査】空室が出ても死なない「安全装置」

どんなに良い物件でも、退去は必ず発生します。

重要なのは、空室が出ても資金繰りが破綻しない「財務体質(ディフェンス力)」を作っておくことです。

CCR(自己資金配当率)を意識せよ

不動産投資の安全性指標の一つにCCRがあります。

簡単に言えば「出した自己資金を、どれくらいの期間で回収できるか」です。

借金を限界まで増やして利回りを上げる手法(フルローン)は、空室が出た瞬間に「持ち出し(赤字)」になるリスクが高すぎます。

総務としては、「自己資金を厚く入れ、空室率が30%になってもローンが返せる状態」を作ることを強く推奨します。


まとめ:空室リスクは「運」ではなく「管理」できる

厳しいことを言いましたが、これが不動産投資のリアルです。

「空室リスク」は、幽霊のように恐れるものではありません。

  1. 需要のあるエリア(駅近・都市部)を選ぶ
  2. 現場に足を運び、競合と環境を確認する
  3. 空室でも耐えられる資金計画を立てる

この3つを論理的に実行すれば、空室リスクは限りなくゼロに近づけられます。

運任せのギャンブルではなく、データと足で稼ぐ「堅実な事業」として、不動産投資に向き合ってください。


【総務部・推奨参考文献/データソース】

  • 総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」(空き家率データ)
  • 三井住友トラスト基礎研究所「不動産マーケットレポート」
  • 旭化成ホームズ「賃貸市場の動向と予測」

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