Last Updated on 2026年1月7日 by けん実おじさん
「不動産投資で、家賃収入を得て不労所得を作りませんか?」
もしあなたが、営業マンの甘い言葉に心が揺らいでいるなら、総務部として「待った」をかけます。
こんにちは。「おじさんの堅実な資産形成ノート」運営者、総務一筋15年のけん実おじさんです。
私は仕事柄、会社の「借入金」や「固定資産(ビル・設備)」の管理をしていますが、不動産投資とは、「個人が数千万円の借金を背負い、さらに将来の修繕義務という『隠れ負債』まで抱え込む、極めてハイリスクな事業」です。
特に2025年は、金利上昇と建設費高騰により、これまでの「勝ちパターン」が完全に崩壊する転換点です。
この記事では、不動産屋が決して口にしない「3つの致命的リスク」と、それでもやるなら守るべき「鉄の掟」を、監査報告書として提出します。
第1章:【金融監査】「金利上昇」であなたの資産は「負債」に変わる
まず、お金の話から始めます。
これまでは「低金利」だったので、銀行からお金を借りてアパートを買っても、家賃収入で返済して手元にお金が残りました。
しかし、これからは違います。
1. 「逆ザヤ」の恐怖を知っていますか?
「逆ザヤ」とは、「物件の利回り < 借入金利」となり、持っているだけでお金が出ていく状態です。
- これまでの世界: 利回り5% - 金利1% = 利益4%(勝ち)
- これからの世界: 利回り5% - 金利3%(上昇) = 利益2%(ギリギリ)
もし空室が出たら?
修繕費がかかったら?
一瞬で赤字転落です。
変動金利でフルローンを組んでいる人は、毎月の給料から数万円を銀行に補填する「奴隷契約」を結ぶことになりかねません。
これは資産形成ではなく「資産流出」です。
第2章:【物理監査】「修繕費」という名の時限爆弾
次に、建物の話です。
「家賃が入ってくる」ことばかり考えて、「建物がボロボロになる」コストを計算に入れていない人が多すぎます。
1. 修繕積立金は「絶対に足りない」
2024年以降、建設資材の高騰と人手不足で、大規模修繕の費用は跳ね上がっています。
統計データによれば、小規模マンション(30〜50戸)の場合、1戸あたり平均110万円以上の修繕費がかかります。
特に恐ろしいのが、築30年を超えたあたりの「3回目の大規模修繕」です。
給排水管の交換などで、1戸あたり150万円〜170万円の請求が来る可能性があります。
月数千円の積立金で足りるわけがありません。
2. 足りなければ「スラム化」一直線
お金が足りなければどうなるか?
- 一時金の徴収: ある日突然、「100万円払ってください」という通知が来ます。
- 工事の延期: お金がないので直せません。雨漏りや外壁剥落が起き、入居者が逃げ出します(スラム化)。
あなたが買おうとしている中古ワンルーム、修繕計画は本当に健全ですか?
総務の目で見れば、それは「将来の請求書付きのババ」かもしれません。
第3章:【法務監査】2025年「省エネ義務化」で古い物件はゴミになる
さらに、新しい法律の壁が立ちはだかります。
2025年4月から、新しい建物には「省エネ基準」への適合が義務化されます。
1. 「ブラウン・ディスカウント」の脅威
これによって何が起きるか?
「省エネ性能の低い古い物件」の価値が暴落します。
これを不動産業界では「ブラウン・ディスカウント」と呼びます。
- 入居者: 「光熱費が高い寒い部屋」なんて誰も住みたくない。
- 銀行: 「環境性能の低い物件」には融資しない(売る時に買い手がつかない)。
今、利回りが高いからといってボロ物件に飛びつくと、数年後には「誰も住まない、銀行も貸さない、売るに売れない」産業廃棄物を抱えることになります。
第4章:【市場監査】東京・横浜でも「勝ち組」は一握り
「でも、東京や横浜なら大丈夫でしょ?」 その認識も甘いです。
データは残酷な「二極化」を示しています。
横浜ですら「駅近」以外は死んでいる
横浜市のオフィス空室率データを見ると、横浜駅周辺は空室率2.8%(超人気)ですが、その他のエリアは10%超(ガラガラ)という推計もあります。
住宅も同じです。
人口減少社会において、人は「便利な場所」に集まります。
「駅から徒歩15分だけど高利回り」 そんな物件は、入居者が決まらず、家賃を下げるしかなくなり、最後は修繕費で破綻します。
立地の妥協は、不動産投資における「死」です。
第5章:【最終結論】総務が承認する「堅実な資産形成」の優先順位
以上の監査結果から、40代のあなたが今取るべき行動(アクションプラン)を提示します。
【優先順位1】まずは「借金返済」と「現金確保」
不動産を買う前に、自宅のローンや車のローンがあるなら、そちらの返済が先決です。
金利上昇局面において、「無借金」こそが最強の防御です。
また、突発的な修繕や空室に備え、家賃収入の15%以上は常に現金でプールしておくこと。
これが経営の鉄則です。
【優先順位2】「節税」目的の投資は即刻却下
「赤字を出して節税しましょう」という営業トークは詐欺に近いと考えてください。
「儲からない物件を買って、損をして税金を減らす」 これは本末転倒であり、銀行からの信用(次回融資)を自らドブに捨てる行為です。
総務として、このような稟議は秒で却下します。
【優先順位3】買うなら「一等地の築浅」のみ
もしどうしても不動産投資をやるなら、条件は以下の通りです。
- 自己資金を5割以上入れる(金利リスク低減)
- 都心・駅近の超一等地(空室リスク低減)
- 新耐震・省エネ基準適合の物件(法務リスク低減)
これ以外は手を出さないのが、2025年を生き残る唯一の道です。
まとめ:知識なき不動産投資は「自殺行為」である
厳しいことを言いましたが、これが不動産投資の「真実(リアル)」です。
不動産は、株のように「塩漬け」ができません。
持っているだけで税金と維持費がかかり続けるからです。
40代の信用力を、安易な「負債」に変えてはいけません。
まずはNISAやiDeCoで足場を固め、不動産に手を出すなら「経営者として借金を背負う覚悟」を決めてからにしてください。
あなたのバランスシートが健全であることを、心から願っています。
【総務部・推奨参考文献/データソース】
- 2024年 不動産投資市場動向レポート(金利上昇の影響)
- 国土交通省:マンション大規模修繕工事に関する実態調査
- 建築物省エネ法改正概要(2025年施行)
- 横浜市オフィス市場データ(2024年版)


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